医療法人 葵鐘会 医療法人 葵鐘会

海外の取り組み

海外事業について

葵鐘会は、質の高い日本の周産期医療を海外に展開し、その国のウェルフェアに貢献してまいります。

ベトナムをbridgeheadとして、モンゴル、ASEAN諸国、アフリカまで日本式の周産期医療を水平展開していきます。

ルワンダ

ルワンダ 2020年12月1日

ルワンダ・国立ニャマタ病院における医療協力活動 最終回研修開催

12月1日から第3回の研修、いよいよ最終回を迎えました。今回のテーマはCTG判読、新生児管理、家族計画等、周産期医療に関して幅広く触れました。METI研修が始まってから3ヶ月も経っていたので受講生の顔や性格やスキルレベルをより良く把握して講師が前よりスムーズに講義を行えるようになりました。

妊産婦死亡率、新生児死亡率の高いルワンダでは、CTGの正確な判読はかなり重要な改善ポイントになるため、受講生の注目もCTG判読に集中しました。ケーススタディの場合、熱心に話し合ったり、真剣に答えたりしていた受講生のイメージが印象に残っています。
最初は完全に日本語で講義を行っていた講師も少しずつ英語に切り替えたことも大好評で両側のコミュニケーションの向上にも役立てたと思います。CTGフォローアップではニャマタ地区病院でメロディ社のiCTGを短期間で使用した感想や課題点等を洗い出し、ベルトの締め方、モニタリングのタイミング、次の観察までの間隔、装着の位置等について意見交換ができて有意義なセッションでした。ルワンダでは英語は母国語ではないことでたまに意思の疎通が十分でなかったことを感じましたが、対策としてカリオペ先生にルワンダ語で細かい説明をお願いしより効果的に講義を進めました。

今回の研修の目的は現地のニーズを把握した上での医療支援提供だけでなく東アフリカの将来性を考慮し、中長期的なパートナーシップを想定しながら人間関係を構築することも優先でした。講師と受講生の関係が9月から徐々に強くなったり、暖かくなったりしていくことが明確でしたので信頼関係はだいぶ進んでいるという感じもあり、これからも葵鐘会とニャマタ地区病院の連携がどこまで発展していくのか楽しみです。ニャマタの医療チームのファッションセンスも大ヒットだったみたいで、お洒落な帽子、ビーハイブ髪型、モホーク髪型等を海外事業部にも導入できれば素晴らしいとも思いました。

この3カ月、日々の業務に追われる中、研修準備のため資料を作成したり、より効果的な研修になるよう常に改善、工夫をしてくださいました垰村先生、梅崎部長、畑中師長、山本主任をはじめご協力いただきました皆様に心より感謝いたします。来年も今年の成果を第1歩とし、ルワンダの母子保健向上に少しでも寄与していけるように心より願っています。

リモートでの講義の様子(妊婦の虫歯・喫煙について)
現地でのiCTG装着位置確認
ルワンダ 2020年11月6日

ルワンダ・国立ニャマタ病院における医療協力活動 第2回研修開催

9月末より初のオンライン第1回研修に続き、10月もオンライン講義にて医療協力活動を実施しました。受講生は国立ニャマタ病院の医師2名、助産師4名と新生児看護師3名の9名となり、医師向けの授業は垰村先生、助産師・看護師向けの授業は看護部より梅崎部長、畑中師長と山本主任に担当して頂き、妊婦健診の質の向上や異常妊娠・分娩に対しエビデンスに基づいた適切な診断および治療ができることを目指し、必要な技術指導を行いました。
第1回研修は、ネット通信環境が不安定であったり、英語での専門用語が難しいこともあり沈黙が続くなど、コミュニケーションがうまく取れない場面がありました。そこで、第2回の研修では音声が途切れのないように通信環境を強化したり、英語での講義内容を正確に理解したり伝えたりすることが講義をより効果的に浸透できると考え、葵鐘会の指導者用の英語ノート付き教材も共有するなど改善を図りました。また、受講生との関係づくりのため、例えばCTG判読など対応方法など一人ずつ名前を呼んで答えてもらい、積極的に研修に参加してもらえるように工夫をしました。
研修では、日本との違いやルワンダでより良い医療サービスを提供する方法などについて意見交換をしながら現地のニーズに即した研修を進めています。
今回の事業活動の一環として、ポータブル分娩監視装置 (iCTG) を使用した遠隔診療の実証活動も実施します。医師不在のヘルスセンターから、国立ニャマタ病院へCTGのデータを送信し、国立ニャマタ病院にて医師がCTGの判読を行い、異常の早期発見や適切な対応が取れるよう医療体制を構築する目的です。11/9にiCTGの使用ガイダンスはメロディ・インターナショナル株式会社より実施し、現在、国立ニャマタ病院の医療スタッフはiCTG を使って実際に妊婦に対してモニタリングしています。次回の研修ではCTGの波形を判読し、適切な対応について講義する予定があり、iCTGの実践状況も確認します。

第2回研修の様子
第2回研修の様子
iCTGのガイダンスと利用
iCTGのガイダンスと利用
ルワンダ 2020年9月1日

経済産業省国際ヘルスケア拠点構築促進事業 ルワンダ案件補助金交付決定

9月3日付で、令和2年度国際ヘルスケア拠点構築促進事業(医療拠点化促進実証調査事業)「ルワンダにおける日本式周産期医療拠点化及びICT遠隔診療にかかわる実証調査プロジェクト」に補助金の交付が決定いたしました。
プロジェクト概要としまして、国立ニャマタ地区病院病院との間で、日本式周産期医療サービスを提供する連携事業開始に向け、必要となる分娩監視装置や保育器を活用し、妊娠期から新生児管理まで、日本式周産期医療に必要な技術指導を行いつつ、地域拠点病院の医療 レベルの底上げを行う予定です。
またICTを活用した遠隔分娩管理、事業スキームに関わる各種調査、事業性検証等も並行して行い、収益性を確認しつつ、事業を推進いたします。
活動期間は、本年度は、コロナの影響を受け2か月遅れの9月から始まり、来年2月までの6か月間の期間となりますが事業を進めて参ります。

第1回研修の様子
第1回研修の様子
ルワンダ 2018年12月10日

ルワンダ病院と共同手術

当会は、東アフリカのルワンダにあるラ・クロワ・デュ・シュド病院(同国キガリ市)へ医師・助産師からなる医療チームを派遣し、2018年12月10日に共同で帝王切開手術を行いました。 日本の医療法人がルワンダで共同手術を行ったことは、初の試みとなります。同国保健省からは、できるだけ早く医療の質や母子保健の向上を目指し、人材育成を含め協力してほしい、 と強く要請されております。今回、葵鐘会では、日本人医師、助産師、看護師が現地のメディカル・ライセンスを取得し、現地での妊婦健診や帝王切開手術を行い、 安心・安全な分娩につながる日本式周産期医療サービスの現地での展開に向け、第一歩を踏み出すこととなりました。 母子保健は重点分野であることもあり、今後は、医療提携先を決め、継続的に共同で医療活動を行い、 現地医療チームへ手技など直接指導しながら、医療協力を推進していく方針です。
また、当会は、1880年創業のドイツの老舗ぬいぐるみメーカー『シュタイフ』と、世界で初めて産婦人科グループとしてパートナーシッブを結んでおり、 各クリニックでは、出産お祝いのギフトとして生まれたばかりの赤ちゃんに初めてのお友達『マイファーストシュタイフ』をブレゼントしており、 ここルワンダでも生まれた赤ちゃんへ、ルワンダ第1号となるシュタイフベアをプレゼントいたしました。

手術中の様子
当会医療チーム
ルワンダ 2018年3月1日

ルワンダ訪問

本年2月4~9日にかけ、山下理事長をはじめ、葵鐘会メンバーは東アフリカにあるルワンダの首都キガリを訪問しました。ルワンダは、日本の四国の1.5倍ほどの小さな国で、人口は約1161万人、国土の殆どが海抜1,000~4,500mの丘陵地に位置しており、そのため年間気温は15~26度と年間を通して過ごしやすい場所です。1994年に起こったジェノサイド(大量虐殺)の事件後、カガメ大統領の強力なリーダーシップの下、国を挙げて、産業振興に努めて来ており、潜在性のあるアフリカ諸国の中でも、近年の経済発展には特筆すべきものがあります。ベンチャーを始めとする海外企業の進出にも積極的で、外資導入に積極的な施策を継続的に行っています。今回訪問では、首都キガリの町はゴミひとつなく清潔に保たれ、丘陵に沿って整備された道路や家並みがとても綺麗だったことが印象的でした。
今回の視察では、先に挙げたジェノサイドの影響で40代の人口が少なく、本来は教育すべき立場にある人材が不足していることや、人口増加に伴って産科・小児科のニーズが高いことがわかり、ハード面以上にソフト面(人材育成)の強化が必要であると感じました。 今回の視察を踏まえ、ルワンダの保険医療の現状と課題を継続的にスタディし、葵鐘会がどのような形で貢献できるかを検討していきたいと考えています。

国立ムヒマ病院視察 ルタゲングワァ院長
ベトナム モンゴル カンボジア ラオス ルワンダ ミャンマー バングラデシュ